WJのネタバレあり。
家に帰って来れない日が続いてました…過去形じゃなくて、まだ暫く続きますが、今日はなんとか帰って来れて、良かった。本当に良かった…。
スパコミ発行予定の本が、いよいよあやしくなってきたので…不安と戦いつつ、↓にも書いていた通り、サンプル(校正前)を折りたたみで。
今回はいつもより短めになりそうです。
スパコミ発行予定の本が、いよいよあやしくなってきたので…不安と戦いつつ、↓にも書いていた通り、サンプル(校正前)を折りたたみで。
今回はいつもより短めになりそうです。
――まさか、こんなことになるとは思ってもみなかった。
……と、綱吉は今、それをひしひしと感じていた。
現実を受け入れようと努力しようにも、頭が完全にショートしてしまったのか、目の神経伝達がうまく脳に伝わらないまま、すでに一分は経過しただろう。
一分もあれば、脳内で情報を整理するのにじゅうぶん足りうる時間だが、しかし、綱吉はいまだ体を硬直させていた。
目の前には、ジョットがいる。けれど、その姿は綱吉の知る彼とは少し違っていた。
襟足が延びたのか、後ろに髪をまとめて一本に結う姿は、それだけでも、印象は違って見えた。
「ジョット、さん…?」
すぐそばにいるのは、確かに綱吉の知る彼のはずなのに。
同じようでいて、でも、どこか違う。
そんな印象を受けた綱吉は、彼を断定する自信がなくて、無意識に語尾は頼りなく、小さなものになる。
ちゅっ、ちゅっ、とさきほどから、パーカーから覗く首筋に唇を落としていたジョットは、その声に顔を上げて、綱吉をじっと見つめた。
「ああ、そうだ。懐かしいな、十年前の綱吉か」
ふっと、いとおしげに微笑むジョットの端麗な顔を間近に直視した綱吉は、頬をピンク色に染めた。
(な、なんか…変わってない、かも?)
自分の母親である奈々も童顔故か、一児の母親には見えないほど若く目に映るが、目の前にいるジョットも印象や雰囲気がほんの少し変わったくらいで、外見的変化をあまり感じられなかった。
「今の綱吉も小さいと思っていたが、十年前はこんなに小さかったんだな」
平素ならば、聞き捨てならない言葉に問いただしただろうが、今の綱吉にはそんな余裕もなく。
すりっと鼻先を擦り合わせるようにして、次の瞬間には唇を奪われていた。
「んんっ――、ふっ、ぁっ」
吐息すら奪うような激しさに、めまいがする。
酸欠による息苦しさと、舌を吸われて、口腔を愛撫される心地よさは、二重の快感となって、綱吉の体を苛んだ。
「ん……つなよし」
「ぁ、ちょっ、ま――んぅ!」
ぱしゃんっと湯船につかった水が跳ねる。
くちゅ、くちゃ、と濡れた音は狭いバスルームにはよく反響して、より綱吉の羞恥を煽った。
抵抗しようにも、両手はひとくくりにジョットの左手束ねられていて、せめて顔を背けようと試みても、後頭部をしっかり固定されていては、なすすべもない。
「ぁっ、んン――は、ぁ…っ!」
ぬるりと舌先で舌の付け根を丹念になぞられて、ひくっと体が震えた。
ようやく解放された頃にはすっかりと腰が抜けていて、だらんと力なくしなだれた肢体を浴槽に預けた。
「は――ぁ、はぁ…」
(……なんで、こんなことになったんだっけ?)
くらくらと酩酊したかのようにぼんやりとした思考で、綱吉は事の発端を思い返した。
ここは、十年後の世界だ。
それが意味するところは、必然的にひとつしかなく――そうだ。あれは、たしか…。
(……そうだった)
悪戯げに微笑んで、自分を抱き寄せる彼こそが、現況を招いた発端だったのだ。
(以下、本文に続く。)
……と、綱吉は今、それをひしひしと感じていた。
現実を受け入れようと努力しようにも、頭が完全にショートしてしまったのか、目の神経伝達がうまく脳に伝わらないまま、すでに一分は経過しただろう。
一分もあれば、脳内で情報を整理するのにじゅうぶん足りうる時間だが、しかし、綱吉はいまだ体を硬直させていた。
目の前には、ジョットがいる。けれど、その姿は綱吉の知る彼とは少し違っていた。
襟足が延びたのか、後ろに髪をまとめて一本に結う姿は、それだけでも、印象は違って見えた。
「ジョット、さん…?」
すぐそばにいるのは、確かに綱吉の知る彼のはずなのに。
同じようでいて、でも、どこか違う。
そんな印象を受けた綱吉は、彼を断定する自信がなくて、無意識に語尾は頼りなく、小さなものになる。
ちゅっ、ちゅっ、とさきほどから、パーカーから覗く首筋に唇を落としていたジョットは、その声に顔を上げて、綱吉をじっと見つめた。
「ああ、そうだ。懐かしいな、十年前の綱吉か」
ふっと、いとおしげに微笑むジョットの端麗な顔を間近に直視した綱吉は、頬をピンク色に染めた。
(な、なんか…変わってない、かも?)
自分の母親である奈々も童顔故か、一児の母親には見えないほど若く目に映るが、目の前にいるジョットも印象や雰囲気がほんの少し変わったくらいで、外見的変化をあまり感じられなかった。
「今の綱吉も小さいと思っていたが、十年前はこんなに小さかったんだな」
平素ならば、聞き捨てならない言葉に問いただしただろうが、今の綱吉にはそんな余裕もなく。
すりっと鼻先を擦り合わせるようにして、次の瞬間には唇を奪われていた。
「んんっ――、ふっ、ぁっ」
吐息すら奪うような激しさに、めまいがする。
酸欠による息苦しさと、舌を吸われて、口腔を愛撫される心地よさは、二重の快感となって、綱吉の体を苛んだ。
「ん……つなよし」
「ぁ、ちょっ、ま――んぅ!」
ぱしゃんっと湯船につかった水が跳ねる。
くちゅ、くちゃ、と濡れた音は狭いバスルームにはよく反響して、より綱吉の羞恥を煽った。
抵抗しようにも、両手はひとくくりにジョットの左手束ねられていて、せめて顔を背けようと試みても、後頭部をしっかり固定されていては、なすすべもない。
「ぁっ、んン――は、ぁ…っ!」
ぬるりと舌先で舌の付け根を丹念になぞられて、ひくっと体が震えた。
ようやく解放された頃にはすっかりと腰が抜けていて、だらんと力なくしなだれた肢体を浴槽に預けた。
「は――ぁ、はぁ…」
(……なんで、こんなことになったんだっけ?)
くらくらと酩酊したかのようにぼんやりとした思考で、綱吉は事の発端を思い返した。
ここは、十年後の世界だ。
それが意味するところは、必然的にひとつしかなく――そうだ。あれは、たしか…。
(……そうだった)
悪戯げに微笑んで、自分を抱き寄せる彼こそが、現況を招いた発端だったのだ。
(以下、本文に続く。)
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