WJのネタバレあり。
ぱちぱち拍手ありがとうございます!
潜りながら黙々と作業しているなか、すごく励まされてます…!
スパコミの新刊予定のサンプルを折りたたみに置いておきますね。
新章について、少しだけ。
炎真君の眼の描き方がとても独特なので…魔眼系統の能力者なのかな、と想像してます。骸の六道輪廻があるのなら、魔眼系の能力があってもいいんじゃないかな…!と。
なんにしても、毎週アニメと一緒でドキドキです…!
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新章について、少しだけ。
炎真君の眼の描き方がとても独特なので…魔眼系統の能力者なのかな、と想像してます。骸の六道輪廻があるのなら、魔眼系の能力があってもいいんじゃないかな…!と。
なんにしても、毎週アニメと一緒でドキドキです…!
なにも知らない子どもは深い眠りについて、そう易々と目覚めることはない。ベッドの上で毛布にくるまりながら、安寧の寝息をこぼす子どもの寝顔は年相応で幼かった。
その頭を撫でながら、ベッドサイドに腰掛けたジョットは優しい笑みを浮かべる。
「隠し通すつもりか。ひどい奴だな」
ぽつり、と静かな室内に落とされた声に、ジョットは気にも止めず、撫でる手の動きは止めなかった。
ただ視線だけは窓際に座る赤ん坊へと移し、目を細めてじっとその姿を見つめる。
「真実を知ったら、ツナは怒るぜ」
「……そうかもしれないな。だが、これでいいんだ。この子に重荷を背負わせたくないからな」
かつて、ボンゴレファミリーの前身となる自警団を創設した男がいた。
男はただ街のひとを、助けを求めているひとたちを救いたいという一心で、自警団を作り上げた。
誰かが傷つくのを放っておけなかった男は、仲間を集うことで救う対象を広げたのだ。ひとの嘆きが一人でも多く減るように、と。
それは、本当に純粋なただひとつの願いだった。
けれど、その男の願いとは裏腹に、年月を経て組織は変わってしまった。男の祈りを踏みにじるかのように、変わり果ててしまった。
もはや、はじまりの思いなど誰も記憶していない。
なんのために自警団を創ったのか。
ジョットの意志を正しく継ぐものは、百年間ただのひとりも現れなかった――十番目に出会うまでは。
沢田綱吉という子どもは、子どもだからこその正義を抱えていた。
仲間を助けたいという正義。
誰も傷つけたくないという偽善。
そのために、自ら傷つきながらも拳を奮い続ける矛盾した行為。
ボンゴレの歴史を目にし、自ら抱く道徳的観念において許せないからボンゴレファミリーを壊す、と歴代ボンゴレボス達の前でそう啖呵をきった子ども。
『こんな間違いを引き継がせるのなら――』
あの言葉は、ジョットにとって救いだったのだ。
今のボンゴレの在り方を間違いだと正すことのできる、純真なこころを持った子ども。
そんな彼を愛し、守りたいと思った。
だから。
「ボンゴレファミリーを創ったのはオレだ…それなら、壊すのもオレの役目。綱吉が背負うものではない」
はじまりを創ったのは自分だから、自らの手を以てしてボンゴレを破壊する。わざわざ愛しい子どもの手を汚させるまでもない。
災厄を振り払い、子どもが笑って安心して過ごせるように。
もう二度とあんなふうに泣かせないために、彼の望む平穏を守り続ける。
そのために、自分はこの世界へとやってきた。
男は視線の先を子どもへと戻す。
するりと前髪のかかった額を撫でるとくすぐったいのか、無知なまま眠り続ける子どもの口元がゆるんだ。
(以下、本文に続く。)
その頭を撫でながら、ベッドサイドに腰掛けたジョットは優しい笑みを浮かべる。
「隠し通すつもりか。ひどい奴だな」
ぽつり、と静かな室内に落とされた声に、ジョットは気にも止めず、撫でる手の動きは止めなかった。
ただ視線だけは窓際に座る赤ん坊へと移し、目を細めてじっとその姿を見つめる。
「真実を知ったら、ツナは怒るぜ」
「……そうかもしれないな。だが、これでいいんだ。この子に重荷を背負わせたくないからな」
かつて、ボンゴレファミリーの前身となる自警団を創設した男がいた。
男はただ街のひとを、助けを求めているひとたちを救いたいという一心で、自警団を作り上げた。
誰かが傷つくのを放っておけなかった男は、仲間を集うことで救う対象を広げたのだ。ひとの嘆きが一人でも多く減るように、と。
それは、本当に純粋なただひとつの願いだった。
けれど、その男の願いとは裏腹に、年月を経て組織は変わってしまった。男の祈りを踏みにじるかのように、変わり果ててしまった。
もはや、はじまりの思いなど誰も記憶していない。
なんのために自警団を創ったのか。
ジョットの意志を正しく継ぐものは、百年間ただのひとりも現れなかった――十番目に出会うまでは。
沢田綱吉という子どもは、子どもだからこその正義を抱えていた。
仲間を助けたいという正義。
誰も傷つけたくないという偽善。
そのために、自ら傷つきながらも拳を奮い続ける矛盾した行為。
ボンゴレの歴史を目にし、自ら抱く道徳的観念において許せないからボンゴレファミリーを壊す、と歴代ボンゴレボス達の前でそう啖呵をきった子ども。
『こんな間違いを引き継がせるのなら――』
あの言葉は、ジョットにとって救いだったのだ。
今のボンゴレの在り方を間違いだと正すことのできる、純真なこころを持った子ども。
そんな彼を愛し、守りたいと思った。
だから。
「ボンゴレファミリーを創ったのはオレだ…それなら、壊すのもオレの役目。綱吉が背負うものではない」
はじまりを創ったのは自分だから、自らの手を以てしてボンゴレを破壊する。わざわざ愛しい子どもの手を汚させるまでもない。
災厄を振り払い、子どもが笑って安心して過ごせるように。
もう二度とあんなふうに泣かせないために、彼の望む平穏を守り続ける。
そのために、自分はこの世界へとやってきた。
男は視線の先を子どもへと戻す。
するりと前髪のかかった額を撫でるとくすぐったいのか、無知なまま眠り続ける子どもの口元がゆるんだ。
(以下、本文に続く。)
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