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WJのネタバレあり。
2025年05月01日 (Thu)
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2010年02月09日 (Tue)
書きあがったので、先にこちらにupします。(サイトには原稿が終わってから、上げます)
同居物語の続きです。
※ツナが女の子なので、苦手な方はご注意ください。

次の記事で、メルフォの御返事します!

 ジョットを起こすのは、綱吉にとって日課のひとつだった。
 綱吉は密かにこの時間を気に入っている。というのも、いつもは凛冽として隙を一切見せない彼が、唯一無防備なときだからだ。
 穏やかな寝息をたてて眠るジョットの素顔を知っているのは、きっと自分と奈々くらいしかいない。
 そんな些細なことではあるけれど、これだけは一緒に暮らしているが故の特権なのだと、綱吉は一種の優越感さえ抱いていた。
 今日も今日とて、綱吉はジョットの部屋に足を運ぶ。
 寝起きの悪い彼を起こさなければならない、と使命感を胸に抱きながら。











 コンコン、とドアを軽く叩く。
 しかし、いつも通りなかから返事は返ってこなかった。

「お邪魔しまーす…」

 音を極力立てないよう細心の注意を払いながらドアを開けて、綱吉はこっそりと部屋に足を踏み入れた。
 ベッドを見れば、身動ぎひとつなく静かな眠りについているジョットがいた。
 そっとベッドに近づいて、顔を覗きこむ。
(――やっぱり、寝てる)
 規則正しく繰り返される吐息は、安眠の証拠。
 寝顔はあまりにも穏やかで、起こすのも忍びないほどだ。
 こんなにも気持ち良さそうに眠っているのだから、もう少しだけ寝かせてあげたいという気持ちが沸く。
 でも、ここはこころを鬼にしてでも起こさなければ、自分が奈々に叱られてしまうのだ。それだけはなんとしても避けたい。
 だから、本意ではないけれど、綱吉はこころのなかでごめんなさいと呟きつつ、ジョットの肩に手を置いた。
 ――ここまでは、いつも通りの日常だった。

「えっ、な…」

 次の瞬間、綱吉は肩に置いたはずの腕を引かれて、気がついたときはジョットの腕のなかに囚われていた

「……ツナ」
「ジョットさん、起きて――んぅっ!?」

 頤を指先でくいっと掴まれて、続くはずの言葉は、押し付けられた唇に掻き消された。

「ふっ、んんーっ!」

 言葉を紡ごうと開いていた唇のなかに、ぬめった舌が滑り込み、好き勝手に綱吉の口腔をなぶる。
 とっさにふるふると首を振るうが、頬を両手で包まれてしまえば、ろくな抵抗もできず。
 くちゅ、ちゅくっ、と。
 濡れた音がやけに鼓膜に響いた。

「んっ、んン――ふぁっ、ジョットさっ…んんっ」
「ツナ…ツナ」

 解放されたと大きく息を吸い込もうとした瞬間、また唇を塞がれてしまう。
 ぐいっとさらに強く腕を引っ張られて、気がついたときには綱吉はベッドの上に横たわり、ジョットの下でキスを受けていた。

「ぁ、ん…んっ!」

 奥に逃げ込む舌をジョットの舌は追いかけて、絡めとる。ざらっとした舌の表面やラインをくすぐるように撫でて、ときには吸い付いた。

「ん――や、ぁ…っ」

 執拗なまでに丹念な愛撫はまだ快楽を覚えていない綱吉の性感を確実に煽り、抵抗という抵抗をひとつずつ剥いでいく。
 なんで、と思う余裕さえない。
 酸欠により次第と思考はぼうっと霞がかって、なにも考えられなくて。
 綱吉はジョットに翻弄されるがまま、びくびくと体を震わせるしかなかった。
 じゅわっと体の芯から痺れるような甘い感覚に綱吉はきゅっと眉根を寄せる。
 いつも健康的な血色に染まる頬は、ほんのりと淡く艶やかに上気していた。

「――ツナ」
「ふぁっ…ジョットさ…」

 ジョットのやわらかい唇は離れては、再びくっついて。
 舌の愛撫はいまだ続いて、じわりじわりと綱吉は追い詰められていった。
 ぴたりと隙間なく触れあう体は熱くて、時折頬や頭を掠めるような指先にひくひくひくと体が震えた。
(――あ、つい…)
 とろりと全身がとろけていくような感覚。
 ぐったりと体の力が抜けて、ゆるやかな快感が全身に行き渡る。
 ジョットにじゅっと舌を吸われれば、びくんっと大きく体は跳ね上がり、それに共なるようにギシッとベッドが軋み声を上げた。

「ツナ」

 さきほどから、ジョットは熱い吐息をこぼしながら、綱吉の名前だけを呼ぶ。
 いつもとは違う、ぞくりと響く声音に綱吉はたまらずに固く目をつむり、ぎゅっとジョットのシャツを握りしめた。

「は――はぁっ…ぁ」
「――んっ」

 ようやく気が済んだのか、ジョットの唇がゆっくりと名残惜しげに離れていく。
 お互いを繋ぐ透明な糸はつぅ…と下へ流れ落ち、シーツに小さな染みを作った。

「……ジョットさん」

 ふわふわとおぼろげな思考で、綱吉はジョットの名前を紡ぐ。
 それに応えるように、ジョットは今度は触れるだけのキスを落として。



 ――やわらかく微笑んだ。















 バタバタ、と綱吉はあわただしく部屋のなかに駆け込んだ。
 勢いよくドアを閉める騒音が家中に響き渡り、下から奈々のたしなめる声が聞こえたような気がしたが、今の綱吉はそれを意識する余裕さえなかった。
(な、に…なんで?)
 ドアを背にして、そのまま力なくずるずると座り込む。
 いまだじんじんと甘くしびれる唇は、あれが夢ではないことを告げていて、綱吉はそっと指先をあてた。
 ジョットはあの後、ぷつりと糸きれた人形のように再び眠りに落ちた。
 結局、あれはなんだったのか。
 訊ねる前に部屋を飛び出してきた今となっては、知る由もない。
 きっと、ジョットは寝ぼけていたのだ。
 誰かと勘違いして、あんなことを自分に…と考えて、ツキンと胸が奇妙な痛みを訴えた。
 そもそも、誰かと勘違いした、というのがまずあり得ないのだ。
 ジョットはまっすぐに自分を射抜いて、たしかに「ツナ」と何度も口にしたのだから。
 あんな、まるで愛おしい者を呼ぶような声で。
 ……もう、考えるのはやめにしよう。
 寝ぼけていたのなら、ジョットはきっとさっきのことを忘れているに違いない。
 綱吉がなにも言わなければ、秘めていれば、今まで通りでいられる。
 でも。
 さっきのことが綱吉の脳裏にフラッシュバックして、離れない。
 抵抗なんて、しようとも思わなかった。
 嫌じゃなかったのだ。
 なにもかもを奪うような激しい口づけ。
 そのあとに見せた、あの微笑みも。
 それは、本当に幸せだと告げるものだったから、文句なんて言えるはずがなかった。
 だって、その笑みはいつしかジョットが浮かべなくなり、綱吉がずっと見たいと思っていた表情そのものだったのだ。

「うぅ…」

 とくんとくん、と早鐘を打つ心音はやけに煩くて。
 じわじわと追い上げられた熱が広まっていく。
(オレ…ジョットさんのこと、好きなのかも…)
 一度意識してしまえば、すんなりと抵抗なく受け入れられた。
 立てた膝に額をすりつけて、顔を埋める。
 それでも気恥ずかしさだけはなかなか消えることはなく、頬だけでなく、体までやけに火照ってた熱をしばらくの間どうすることもできなかった。


10/02/09
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