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WJのネタバレあり。
2025年03月15日 (Sat)
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2010年05月16日 (Sun)
お誕生日おめでとうございます!
どうか素敵な一年でありますように…!

そしてニ個目、るかさん用の初ツナSSです。
テーマは「デーチモ呼びな初代とデーチモとして見られたくない(無自覚な)ツナ 」

「デーチモって呼ばないでください!」

綱吉の部屋に、悲痛にも似た叫び声が響き渡った。
たしかに、彼にとって自分はボンゴレの継承者のひとりに過ぎないのだろう。
だから、名前ではなく『デーチモ』と呼ぶのだ。
時に威圧感溢れる声で。
時に親が子を想うような労る声で。
優しく、やわらかな声でそう呼ばれる度に、心が波打つかのように騒ぎだして落ち着かなかった。
(オレは十代目なんかになりたくないのに…マフィアのボスにならないって言ってるのに!)
そんなふうに呼ばないで欲しかった。
悲鳴にも似た懇願混じりの拒絶に、呆然と目を瞠るジョットの姿が視界の中心に映り、綱吉はたまらなくなってさっと顔を俯かせた。

「デーチモ…」

困ったような、戸惑いの声がやけに大きく聞こえたような気がした。
ああ、彼を困らせている。
でも、綱吉自身もわからなかった。
何故、彼に『デーチモ』と呼ばれたくないのか。
獄寺には、こんなあからさまな態度を取ったこともなかったのに、どうして。

「そんなに嫌だったのか…?」

こくり、と綱吉は弱々しく頷いて返した。

「そうか。すまなかったな……ツナ」
「っ!?」

離れていたお互いの距離はいつしか手を伸ばせば届くほどに縮まり、ぽんっと頭に大きくて暖かな手のひらが置かれた。
はっと弾かれたように顔を上げれば、ジョットの目とかち合う。
穏やかな春の風のような優しい笑みを浮かべて、彼は自分の頭を撫でながら、続けて言った。

「――いや…綱吉、と呼んでもいいか?」

その声に今まで胸のうちに抱えていた蟠りは一瞬にして掻き消え、じわじわと歓喜に満たされていく。
望んだものを得られた綱吉は嬉しそうに破願し、静かに頷いて応えた。
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